もう10数年も前の話。
わずか1年間でしたが、たいへん特殊な施設の警備業務に従事していたことがあります。
それは刑務所です。
刑務所の警備です。(懲役のお務めではありません。念のため)
我が社が警備業務を請け負っている施設は、同じ系列会社のオフィスビルのみですが、過去に1度だけ例外があり、それが刑務所の警備だったのです。
当時の自分はただの平社員で一警備員に過ぎず、詳しい経緯はいまだによく知りません。
なんでも我が社の営業担当が、刑務所(法務省管轄ですね)の民間委託競争入札にのほほんと参加したところ、つい仕事を取ってしまったとか。
アホか。
あくまで職員(刑務官)のサポート的な業務のみで、受刑者と直接かかわるような仕事をやらされたわけではないけれども、なにせ刑務所の塀の中での業務です。
遠巻きに受刑者の姿を見やるなんてレベルじゃなく、すぐ手の届く距離にいるんですよ、服役中の受刑者たちが。
目の前で受刑者同士がはげしく喧嘩をはじめたこともありましたね。
1年間で終わって心底ホッとしましたが、あのときの精神的なプレッシャーは半端じゃなかったです。
しかし、あれから10数年が経過し、当時を冷静に振り返ってみると、貴重きわまりない経験を積ませてもらったのかなと思うようになりました。
ふつうに暮らしていては絶対に足を踏み入れることのない特殊な異空間ですからね。
刑務所勤務での面白おかしいネタ、バカバカしくも哀しいエピソードはたくさん存在します。
守秘義務がありますので、あまり込み入った内情を暴露するわけにはいきませんが、差し障りのない範囲で今後もこの話題を取り上げていこうと思います。
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