ちょうど1週間前の2月24日、ボクシングのトリプル世界タイトルマッチが、両国国技館で行われました。
わたしもAmazon Prime Video配信で観戦しましたが、井上拓真、中谷潤人、田中恒成の日本人ボクサーが、そろって勝利。
いずれも良い試合でした。
しかし、みんなごく当たり前のように勝っちゃってますが、ボクシングの世界戦って、こんなに簡単に勝てるものだったっけ?
大昔(といっても1980年代あたり)からのボクシングファンにすれば、ちょっと信じられない思いです。
他にも井上尚弥を筆頭に、井岡一翔、寺地拳四郎など、みんな強い。ほんとうに強い。
どうして最近の日本人ボクサーはこんなに強いんだろう?
1990年代初頭(だったと思う)、ボクシング評論家のジョー小泉氏が、コラムか何かで次のように語っていたのを、おぼろげながら記憶しています。
「これからは軽量級もパワー重視の時代になるのではないか。今後外国人ボクサーのパワーに対抗するすべを見出さなければ、日本人はミニマム級くらいしか世界タイトルを奪取することができなくなるのではないか」
たぶん米国のマイケル・カーバハルが出てきたあたりの頃かと。
カーバハルというのは当時、スピード重視の軽量級に、掟破りのパワーファイトを持ち込んで、KOの山を築いたボクサーです。
ようするに、中量級以上で外国人ボクサーのパワーにまるで歯が立たない日本人が、軽量級でもパワーに蹂躙されるようになったらどうすんのよ、って話だったと思います。
圧倒的なパワーの差だけでなく、他にも体格の不利や技術的な遅れ、ハングリー精神の欠如、そもそも農耕種族の日本人にボクシングは向いていない等々・・・
どうしたって、日本のボクシングに明るい未来が待っているとは思えませんでした。
ところが、あれから30年ほど過ぎた現在はどうか。
日本のボクシング界は、ミニマム級の世界王座奪取に苦労するどころか、歴代でも最強クラスの世界王者を次々に輩出しています。
「若者の体格向上」はともかく、それ以外の諸問題がこの30年間で解消されたとはとても思えない。
・・・けっきょくパワーもハングリーも、あまり関係なかったってことですね。
おそらくは昨年、畑山隆則氏の言っていたことがすべてなのでしょう。
「スポーツ競技は1歳でも早く始めたほうが、覚えも早く有利になる。ボクシングも同じ」
「いま日本ではボクシングのレベルがムチャクチャ上がっているが、みんな小学校低学年くらいからもうはじめている子が多い」
「中学、高校で喧嘩が強くてその延長線上でボクシングをやる、という時代ではもうない。中学、高校くらいからやるようでは遅い」
・・・ようは子供の頃からの英才教育ね。
そういえば亀田さんのところも、いちおう幼少からのボクシング英才教育一家でしたっけね。
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