リング事故


昨年12月26日の日本バンタム級タイトル戦で、試合後に右硬膜下血腫の緊急開頭手術を受け、入院加療中だった穴口一輝選手が死去。

先週のことですが、2月2日にJBC(日本ボクシングコミッション)から発表がありました。

この日本タイトル戦(堤聖也vs穴口一輝)は、井上尚弥vsマーロン・タパレスの前座セミファイナルに行われた試合です。

自分もLeminoの生配信を見ていました。そのときは「派手な試合だな」「堤ってほんとタフでしぶといボクサーだな」などと、ぼんやり思っただけでした。

今回あらためて試合映像を見直したところ、さんざん言われているように、これはストップの判断が難しい。いや、止めようがない。

4度ダウンしたとはいえ、ダウンの場面以外はほとんどの局面で穴口選手が上回っていたのではないか。

セコンドやレフェリーなどの、試合中における判断、処置にケチをつける部分はまったくなかったと思います。

しかしこれ、問題は試合中じゃなくて、試合終了後の処置でしょう。

最終ラウンド終了直後、どう見ても異常な足の痙攣を起こしている穴口選手を、そのまま立たせておいて、あろうことかセコンドが肩を貸して歩いて退場させるとは。

躊躇せず、すぐに担架に乗せて、頭部を動かさないよう運び出すべきだった。問題はそれに尽きる。

「試合中の判断や処置にまったく問題はなかった。止めようがない試合だった」「事故が起こった以上、仕方なかったで済ませず、業界やファンも含めて、再発防止の検証をすべきだ」とか、みんな同じようなことばかり言っていますが、もういいよ。

あのとき担架に乗せていれば、絶対に穴口選手の悲劇を防ぐことができたかは、もちろん分からない。

しかし今後は、リング上のボクサーに異常が見られたら、すぐに頭部を固定して担架で運び出すことを周知徹底すべきでしょう。

たとえボクサー本人が、プライドから担架を拒否したとしても。


コメント

タイトルとURLをコピーしました