本日休診


若い時分、古い名作映画の解説書みたいなものをよく読んでいました。

文春文庫ビジュアル版の『日本映画ベスト150』とか『洋画ベスト150』、猪俣勝人さんの『日本映画名作全史』『世界映画名作全史』などですね。

それらを読みながら、邦画洋画問わず過去の代表的な名作映画はぜんぶ観てやろうと誓ったものです。

しかしいまだに実現していません。

たぶん観ようと思っていた映画の半分も観ていないでしょう。

還暦が近づき、いつ死んでも不思議ではない年齢になってきた現在、観ておきたい映画やアニメ、読んでおきたい本や漫画は、さっさと観たり読んだりしておかねばと考えるようになりました。

・・・というわけで、今回ネットの動画配信で観たのは、1952年公開の日本映画『本日休診』です。

もちろんモノクロ映画です。

映画のストーリーは、

せっかくの休日に、「本日休診」の看板を出したものの、次々と押し寄せる訳ありの患者や町の人々に振り回される町医者の一日を描いた、笑いと涙の人情コメディ

というもの。(正確には一日だけじゃなくて休みの翌日も話は続きます)

ちょっと優しめの赤ひげ先生、ですかね。

面白かったです。

こういうの大好きです。

もちろん単なるドタバタ喜劇ではなく、戦争が残した深い傷跡や戦後社会の混乱など、暗い内容も含んでいますが。

それにしても出演している俳優さんたちが豪華絢爛ですね。

先日亡くなられた岸惠子さんをはじめ、淡島千景さんに角梨枝子さん、そして鶴田浩二さんに佐田啓二さん、三國連太郎さん。

美男美女が勢揃い。

すでに全員が鬼籍に入られておりますが、フィルムの中ではいつまでも若々しく、時を越えて我々の心を揺さぶり続けます。

この映画の監督は渋谷実さん。

渋谷実監督の他の作品ももっと観ておきたいですね。

『てんやわんや』とか『自由学校』とか『酔っ払い天国』とか。

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